クモル145-1015+クル144-15
近キト
最後のトラック電車。
2021年11月 廃車
最終更新 2022.4
吹田総合車両所
京都支所
D06編成
ATS-P/S 双頭連結器 全検2018.3
▲細部観察動画。
(2021年8月/@京都鉄道博物館ほか)
車両紹介
かねてより東京・大阪圏では車両基地や工場間で物品を輸送する「配給電車」が運転されていたが、旧型国電からの改造が多く老朽化が進んでいた。そこで1979~1981年にかけて、101系の改造名義で制御電動車のクモル145と、制御車のクル144の組成で誕生した「トラック電車」である。当時、山手線など首都圏にATCが導入される予定だったため、品川電車区向けにはATCが搭載された(クル144側)。

▲2018年の出場試運転。
(2018年3月/@東海道線 島本~高槻)
車体長は17mで、前面は高運転台のクハ103に準じている。足回りは101系時代のものを踏襲していたが、JR西日本の車両は後年にモーターをMT54に変更、原番号+1000となった(クモル側)。部品輸送が次第にトラックなどに切り替えられたため廃車が進行し、近年はクモル145-1015+クル144-15が唯一現存していた。

▲2015年も桜シーズンに走った。
(2015年4月/@東海道線 長岡京~向日町操)
晩年の動きとしては、2015年に物品輸送を実施。配給車さながらのシーンが実現している。2018年には全般検査、2017・2020・2021年には京都鉄道博物館で展示された。
また、構内でも時折動いており、線路の錆取りや、自身が放置状態となるのを防ぐためと思われる。この際パンタを両方とも上げていたが、本線走行時は基本的にクモルのパンタを使用する。
▲時々、構内で動いていた。
(2019年1月/@吹田総合車両所 京都支所)
2021年8月には「さよなら展示」と題し、京都鉄道博物館へ3度目の出張が実現。「今年度中の引退が決定している」という公式発表も出ており、11月に吹田総合車両所へ回送され、廃車となっている。
略歴(クモル145-1015)
●1959年6月
モハ90535からクモハ101-13に改められる(三鷹電車区在籍時)
●1981年12月
広島工場でクモル145-15に改造され、高槻電車区に配置される
●1998年10月
吹田工場で主電動機がMT46からMT54へ変更され、クモル145-1015に改められる。また、京都総合運転所へ転属
●2010年2月
吹田工場を出場
●2014年5月
吹田総合車両所を出場
●2014年9月
向日町~吹田間を往復
●2015年4月
●2017年12月
京都鉄道博物館で展示される
●2018年3月
吹田総合車両所を出場
●2020年1月
京都鉄道博物館で展示される
●2021年8月
京都鉄道博物館で展示される
●2021年11月
吹田総合車両所へ回送され、廃車となる

▲2020年、二度目の鉄博出張。
(2020年1月/@京都鉄道博物館)
略歴(クル144-15)
●1964年9月
クハ101-32として落成、津田沼電車区へ配置される
●1981年12月
広島工場でクル144-15に改造され、高槻電車区に配置される
※以降クモル145-1015に同じ
📷 gallery #クモル145-1015+クル144-15
(記事はこちら)









