クモヤ193-1+クモヤ192-1
東トウ
ATC対応の電気検測車。
2013年 廃車・解体
最終更新 2020.5.9
東京総合
車両センター
▲クモヤ193、初々しき頃?
(「鉄道ファン」1980年6月号)
車両紹介
クモヤ193-0番台は、首都圏へのATC導入にともない、2両編成1本が新製された電気検測車である。電力関係を測定するクモヤ193形と、信号関係を測定するクモヤ192形により構成されている。前面は183系に準じており、運転室も共通点が多い。
クモヤ193には測定用、クモヤ192には集電用のパンタグラフ(2基)およびATC車上装置が設けられている。折り畳み高さは低く抑えられ、トンネル断面の小さい身延線などにも入線できるほか、横川~軽井沢間への入線対策も施された。
▲クモヤ193、初々しき頃!
(画像提供:aka様)
新製後は首都圏を中心とした直流区間で検測を行っていたが、2002年にE491系「East-i・E」が登場。同車は1編成でさまざまな分野の測定が可能であり、クモヤ193やクモヤ443、マヤ34の役目が統合された。
これによってクモヤ193の登板機会は激減し、もっぱら東京総合車両センターの地下に留置されるようになる。いつしか「幻の車両」となっていたが、2012年夏に同センターの一般公開で展示され、久々にその姿を現した。検査表記は「14-4 大井工」となっており、いかに動いていなかったかがうかがえた。
▲TK一般公開で、久々にその姿を現した。
(2012年8月/画像提供:@WrChs様)
▲記念弁当の表紙にも採用された。
(2012年8月/画像提供:OOMYV様)
しかし、日の目を浴びたのも束の間。数ヶ月後には同センター内で解体されているのが確認され、その生涯に幕を閉じた。一方で、同じ国鉄型の電気検測車であるクモヤ443(交直流対応)は2019年に検査を受けたほか、今日も西日本の各所で検測を行っている。同車は1975年製。クモヤ193よりも、5年先輩である。
略歴(名称は当時のものを記しています)
●1980年3月
近畿車両で落成し、品川電車区へ配置される
●2004年8月
東京総合車両センターの一般公開で展示される
●2012年8月
東京総合車両センターの一般公開で展示される
●2013年*月
東京総合車両センター内で解体される