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現存する145系の概要

クモヤ145・クモル145・クル144とは

最終更新
2022.1

  クモヤ145

 非ATC線区における旧型の牽引車や救援車などを置き替えるため、1980年に登場した。塗装は青15号+黄5号で、ほぼ同世代のクモヤ143とよく似ている。しかし台車や主電動機(MT46)は101系からの流用品で、車体は新製された。また、スカートを備えていない。

 

 JR西日本車については、2000年代に主電動機がMT54へ交換され、原番号+1000となっている。JR東日本車は大多数が廃車となっており、101系由来のMT46を残す車両はクモヤ145-118のみである(2020年4月現在)。

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▲鋼体輸送中のクモヤ145
(画像提供:aka様)
▲2021年上半期のクモヤ145走行シーンまとめ
(一部クモヤ443含む)

   1000番台(元0番台)現存車

 すべてJR西日本の所属で、原番号+1000である。0番台は消滅した。

1.クモヤ145-1003(吹田)

2.クモヤ145-1004(宮原)

3.クモヤ145-1006(吹田)

4.クモヤ145-1009(吹田)

   100・1100番台(元100番台)現存車
 

 救援機材を積み込めるよう、車体中央に搬入口を設けたグループである。牽引役のほか、後藤の1105は霜取り列車の実績がある。

5.クモヤ145-118(八王子総合訓練センター/車籍なし

6.クモヤ145-1102(広島)

7.クモヤ145-1103(下関)

8.クモヤ145-1104(吹田)

9.クモヤ145-1105(後藤)

10.クモヤ145-1106(京都)

11.クモヤ145-1108(網干)

12.クモヤ145-1109(明石)

13.クモヤ145-1124(岡山)

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▲左:1000番台 右:1100番台
搬入口の有無が確認できる
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▲搬入口
通称「コンセント」。

   1050番台(元50番台)現存車

 当初はクモヤ145-0番台であったが、改造によって交直流車が牽引できるようになった。また直流区間では制御電動車として、交流区間では制御車として使用できる。連結器は双頭タイプである。

14.
クモヤ145-1051(吹田)
15.
クモヤ145-1052(吹田)

   1200番台(元200番台)現存車

 1200番台は1両のみで、双頭連結器を装備し、交直流車の牽引が可能である。また直流区間では制御電動車、交流では制御車として使用できる。ここまでは1050番台と共通だが、搬入口があり、パンタグラフを1基しか搭載していない。

16.
クモヤ145-1201(京都)

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▲左:1050番台 右:1200番台
どちらも双頭タイプの連結器を備えるため、甲種・配給輸送でも使用される

  クモル145・クル144

 かねてより東京・大阪圏では車両基地や工場の間で物品輸送を担う「配給列車」が運転されていたが、旧型国電からの改造車が多く老朽化が進んでいた。そこで1979~1981年にかけて101系を改造し、制御電動車であるクモル145と、制御車のクル144の組成で誕生した「トラック電車」である。当時、山手線など首都圏にATCが導入される予定だったため、品川電車区用にはATCが搭載された(クル144側)。

 

 車体長は17mで、前面は高運転台のクハ103に準じている。足回りは101系のものを踏襲していたが、JR西日本の車両は後年にモーターをMT54に変更、原番号+1000となっている。部品輸送が次第にトラックなどに切り替えられたため廃車が進行し、現在は京都に1編成、クモル145-1015+クル144-15が残るのみとなった。

17.
クモル145-1015+クル144-15(京都)

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▲クモル145・クル144
写真先頭からクル144-15+クモル145-1015

  「クモヤ」「クモル」「クル」の意味は?

=運転台あり
=モーターあり

=事業用
※かつて、事業用車は「職用車」とよばれており、それらに乗っていたであろう「役人」が由来との説あり

=「配る」(配給)

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