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クモヤ143・クモユニ143の概要

クモヤ143、クモユニ143とは?

最終更新
2023.12.12

  クモヤ143(0番台)

 →クモヤ143-1~クモヤ143-21(全21両)

 ​ 存車:なし(全車引退​済

▲クモヤ143 0番台
(クモヤ143-9)

 1972年に発生した日暮里駅での車両追突事故をきっかけに、山手線をはじめ首都圏に保安装置・ATCを導入することになった。これにともない、ブレーキ性能が不十分な旧型の事業用車を置き替えるため、1977~80年に21両が新製された。配置箇所は品川や浦和など、すべて首都圏である。
 

 クモヤ145とは異なり、足回りも含め新製された。主電動機はMT57Aで、落成当初からスカートを装備した。1980年代からは205系など、電気指令式ブレーキの採用が本格化したため、クモヤ143にも対応改造が行われている。全車国鉄からJR東日本へ継承されたが、車両が徐々に編成単位で管理されるようになったことで、「牽引車」としての出番は激減した。

2003年2月・クモヤ+マヤ+スヤ+クモヤ・@Hiroshi651059様よりs
▲マヤ・スヤを挟んだ編成。かつては検測にも使用された。
(2003年2月/画像提供:@Hiroshi651059様)

 1992年の山形新幹線開業時には、交流区間と標準軌に対応した牽引車が必要となることから、クモヤ143-3がクモヤ743-1に改造され、2013年まで活躍した。

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▲クモヤ143-3から改造されたクモヤ743-1。
(2013年11月/@奥羽線 庭坂~赤岩)

 2008~2012年には多くの車両が引退。中にはクモヤ145-120+クモヤ143-12+クモヤ143-16+クル144-8+クモル145-8+クモヤ143-14という大規模な配給輸送も実施された。

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▲2008年に実施された廃車配給。
〔クモヤ145-120+クモヤ143-12+クモヤ143-16+クル144-8+クモル145-8+クモヤ143-14〕
(2008年6月/画像提供:南越後の乱入王様)

 2022年3月には、東京総合車両センターのクモヤ143-8クモヤ143-9が長野総合車両センターへ配給輸送され、翌2023年6月頃に解体。これをもって0番台はすべて姿を消した。

  クモヤ143(50番台)
 

 →クモヤ143-51・クモヤ143-52(全2両)

 ​ 現存車:1両(クモヤ143-52

▲クモヤ143 50番台
(クモヤ143-52)

 国鉄の分割民営化を控えた1980年代、上沼垂運転区(現・新潟車両センター)には特急「北越」などに使用される485系が転入した。合わせて交直流対応の牽引車が必要となり、荷物輸送の廃止にともない余剰となったクモニ143から2両が改造された。

 前面は非貫通構造で、スカートが撤去されたことや双頭連結器を備える点が0番台とは異なる。また、クモニ時代の湘南色を保っており、車内の荷物室もそのままである。前述のとおり交直流車の制御が可能だが、
クモヤ145-50(1050)番台のように、交流区間で制御車として走ることはできない。

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▲検測列車の先頭に立つクモヤ143-51。
〔クモヤ143-51+スヤ50 5001+マヤ34 2002+165系〕
(2002年9月/画像提供:kawayu449様)

 のちにクモヤ143-52は長野地区へ転属し、篠ノ井線の霜取り列車として知られていたが、2018年3月でE127系にその役目を譲った。以後、車籍は抹消されたものの、長野総合車両センターにて操車を務めている(2023年12月現在)。

 クモヤ143-51は2022年、新潟車両センターにて解体された。

  クモユニ143

 →クモユニ143-1~クモユニ143-4(全4両)

  現存車:2両(クモユニ143-1クモユニ143-3

▲クモユニ143
(クモユニ143-1)

 身延線における郵便・荷物輸送、また旧型国電の置き替え用として1981年に4両が製造された。主電動機はMT57Aで、パンタグラフは1基のみ。登場時はスカートを装備していたが、後年に撤去された。

 80年代中盤になると、鉄道による郵便・荷物輸送が相次いで廃止され、1986年からの10年間は幕張電車区で新聞輸送も務めていた。

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▲身延色や湘南色の時代があった。
(1987年5月/画像提供:OOMYV様)

 新聞輸送を113系に譲ると、クモユニ143-2・4は廃車となったが、1・3は牽引車に転身。近年まで長野総合車両センターに在籍していたものの、2018年春にクモヤ143-52が転入したことで余剰に。クモユニ143-3は東大宮センターへ輸送され、車籍は抹消されたものの訓練車として使用されている。

 職員輸送や団臨に使用されることが多かったクモユニ143-1も、2019年10月に車籍を抹消された。2023年12月現在、長野総合車両センターに留置されている。

  「クモヤ」「クモユニ」の意味は?

=運転台あり
=モーターあり
=事業用


=郵便
=荷物

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